今回のテーマは、「インフレ」です。ここ数年のトレンドになってる話題だね。アメリカでは物価が上がりすぎていてラーメン一杯食べるのに5000円近くかかるなんてことも聞くよね。
日本でもよく話題にあがっているけど、最近の世界的インフレは日本だけでなく世界中で大きな問題となっている。そして、実はインフレは経済だけじゃなく、世の中の動きを知る上で不可欠なことなんだ。ということで今回はそんなインフレについて紹介していきます!
そもそも物価とは何?
まず第一に、インフレとは、物価の上昇のことであるが、そもそも物価とは、「社会の中の様々なモノやサービス全体の価格の水準」であり、「一つのモノの値段を見て物価が上がった」と判断することは正しくありません。例えばガソリンが値上げしたから物価が上がったと安易に考えるのは間違っています。では、物価の上下について、どうやって計るのか?それは、簡単に言うと「国が決める」ということなんです。「消費者物価指数」という物価を把握するための統計指標を総務省が毎月発表しています。
超どデカい買い物カゴを想像してみてください。そのカゴの中には、モノだけでなく様々なサービスも含めて582種の品目が入っています。このカゴ全体での価格を集計し、基準値を100と設定することで、期間ごとの物価に比較が可能となります。例えば、2022年1月の消費者物価指数を100としたときに、2023年1月の指数が105であれば前年比で5%物価が上昇している、ということになります。前年比5%は、「インフレ率5%」などと表現されます。この消費者物価指数の動きを見て初めて物価が変動しているかどうかがわかるのです。そのため、1商品だけを見て判断するのは早いということになるんですね。
消費者物価指数は前月比や前年比で比較されることが多いですが、2022年全体の数字を算出して、基準年として年ごとに比較することもあります。そしてこの消費者物価指数が継続的に上昇すれば「インフレ」、下降すれば「デフレ」ということになるのです。
物価はどうして変動する?物価変動の要因
インフレとデフレの定義は上記の通りですが、問題は何が原因で物価が変動するのでしょうか。これを断定的に説明するのは難しいです。あまりに多くの事象が絡み合っていて複雑で、そもそも経済学の流派がさまざまあるため正確に定義することがなかなかできないのです。そのため今回は一般論として理解されていることについて説明します。
一般的に言われるインフレ・デフレのポイントは、モノの数量とお金の数量の関係です。お金がたくさんあってモノが少ししかなければ、モノ1つあたりの価値が上がります。もちろん、逆もまた然りです。お金がたくさんあってモノが少なければ、モノ一つひとつの値段は上がる。当たり前といえば当たり前のことですね。
モノとお金の数量のバランスが崩れて物価が変動する大きな要因の一つとしては、大災害や戦争も挙げられます。今のロシアとウクライナの戦争がまさにこのケースに該当します。戦争が起こると当事国では作り手がいなくなったり、設備が壊されてしまう可能性もあり、生産量が減少してしまいます。敵国側に対して輸出を制限することもあります。
他には、その国の景気があまりに良くて皆が消費しまくっていると、結果インフレが起きることもあります。需要が大きくなりすぎると供給が追い付かなくなり、需要を引き締めるために物価が上がるということです。もちろん、これは逆のことが起きればデフレにつながるね。
良性インフレとは? 政府が掲げるインフレ目標
ではどういう状態が好ましいのかと言うと、程よいインフレがベストと言われています。好景気=インフレということでもあるので、微妙なインフレが経済成長において望ましいです。ほどよいインフレの度合いは場合にもよりますが、基本的に多くの国の中央銀行は2%のインフレを目指しています。
このほどよいインフレは、設備投資や消費旺盛によって品不足気味になり引き起こされるインフレなどがそれにあたります。これを需要に基づく良性インフレ、「ディマンドプルインフレ」とも言います。
ただし良性インフレにも注意が必要。インフレが続くと予想されると、つまり将来的にお金の価値が下がっていくということになるため、「今のうちにお金を使わなきゃ」と消費が過熱しやすくなってしまいます。そしてインフレが過度に進んでしまうのです。一度インフレが加速しすぎると、日銀が高い金利を設定してお金を借りにくくするなど強引な対策が必要になってしまいます。そしてこの金利政策は往々にして経済を冷え込ませることにつながってしまう…。
一方でインフレを放置しすぎると、インフレが過激化し、とんでもない物価上昇を引き起こして結果経済に深刻なダメージを引き起こす可能性もあります。この良性なインフレ状態においても、常に注意が必要ということです。
悪性インフレ=コストプッシュインフレとは
需要に基づく良性インフレがある一方で、戦争や社会不安によって供給が滞り、品不足となり発生するインフレのことを「悪性インフレ」と言います。これは景気や需要に関係なく起こるためコストプッシュインフレとも呼ばれています。良性であるディマンドプルなら景気も良くなって賃金も増えるので問題ないですが、戦争などによって人手不足になり、品不足になった結果インフレになってしまう状態は望ましくありません。賃金も上がってない状態でただモノの値段が上がるから人々の生活は苦しくなる一方なのです。
そしてこの悪性インフレの厄介なところは、コントロールしづらいことにあります。良性インフレの場合、金利を上げることで抑えられたりとコントロールがしやすい。一方、供給が少なることで起こる悪性インフレはモノの数量を頑張って増やすか、代替品を作り出すといった対策しかなく、すぐに解決することが難しいのです。景気が上がっているわけでもないのに物価が上がり、人々の生活が苦しくなるうえに対策もしづらい。そのため悪性と言われています。
さらに景気が悪くなれば、景気悪化と物価上昇が同時進行するスタグフレーションの状態になり、きわめて厳しい経済状況を強いられることになります。例えば、日本はオイルショック後がスタグフレーションの状態でした。そしてヨーロッパではウクライナ戦争によりスタグフレーションが発生しかけています。ウクライナとロシアはヨーロッパの中でも天然資源や農産物が豊富な国で、特にロシアの天然ガス供給が不安定なのはヨーロッパ各国にとってかなり痛いのです。イギリスの一般家庭で光熱費が年間100万円を超えることもあるなんてニュースも…。
2023年4月現在、好景気で需要が高まったわけではないのに戦争起因で物価が高騰している。同時に景気も芳しくないことから、スタグフレーションに突入しかけていると言えます。
デフレの意味とインフレよりも厄介な理由
これまでインフレの話をしてきましたが、次はデフレについて説明していきます。デフレは沼みたいになかなか抜けられないため、インフレよりも厄介なのです。
デフレは、インフレの反対の意味で、供給が多いか、需要が少ないかでモノ・余りの状態を言います。簡単に言えば安売りしないと売れない状況ということで、価格競争が始まると、企業の利益も落ちる。利益が落ちると賃金も増えず、賃金が減るとさらにモノが売れなくなる。しかも物価がどんどん下がっていくので、人々は「今じゃなくて将来的にお金を使ったほうが得なんじゃないか?」というインフレと反対の心理が働いてしまう。そうなると消費や投資が落ち込み、品余りが加速して、また値下げ…。このデフレによって負の連鎖が続くことをデフレスパイラルと言います。
一度この状況に陥ってしまうと、金利を下げるなどの政策を打ち出してもすぐには状況を変えられません。デフレからの脱却は難しいので、各国政府はインフレ目標を+2%に設定しているのです。要は、どうしてもデフレは避けたいから、緩やかなインフレが安全だということですね。
インフレ・デフレに対する政府、中央銀行の役割
過度なインフレやデフレが起きないよう、物価をコントロールするのは、中央銀行や政府の仕事です。中央銀行とは、日本だと「日本銀行」、いわゆる日銀のことを指します。中央銀行は金利やお金の出回る量を調整することで物価をコントロールします。景気が悪いときには金利を低くしてお金を借りやすくする、などが典型的な施策です。これが、いわゆる金融緩和です。逆に金利を高くする施策は、金融引き締めというね。また、政府の財政政策、特に増税や減税は物価に影響を与えます。当然増税されたら消費は減るし、減税されれば消費が増える。物価変動が主目的ではないこともありますが、税金は物価に影響を与えるから財政政策による物価変動を考えた調整が必要になります。いくら増税をしたくても、金融緩和によって景気を燃やしにいってるのに、増税で水をかけてしまったら台無し、ということです。
日本の慢性的デフレ状態「失われた10年」
物価についての前提が整理できたところで日本と世界の大きな流れを見ていきましょう。日本はバブル崩壊から不況が続き、特に1990年代後半から10年以上にわたって一時期慢性的なデフレ状態になりました。それを「失われた10年」と言います。さらに日本は景気がいいときもありましたが、物価と賃金は上がりませんでした。この原因については明言することは難しいですが、日銀がデフレを放置したことでデフレマインドが定着したことを指摘する人もいます。一方で、消費税や社会保険料の負担増が原因だと見なす人もいますし、その根本的な原因である少子高齢化がほぼ全てだと言う経済学者もいますね。その他にも、解雇規制が厳しすぎて適正な賃金が形成されないことや、規制に守られた産業が多く、うまく新陳代謝が進まなかったこと。IT化を忌み嫌ってマンパワーに頼り続けたことなど、さまざまな原因があがっています。ようするに、デフレになり得るマイナス要因が多すぎて原因を一つに絞れないということですね。
一方でこのデフレは、2013年から始まった日銀の異次元緩和によって多少マシになったように見えましたが、需要が継続的に伸びることはなかなかありませんでした。
世界のインフレ状況は悲惨? ウクライナ戦争とインフレ
次に日本以外の状況を見ていきましょう。アメリカでは、リーマンショックから抜け出し、順調に成長し、金融政策も上手くいっているようにみえました。もちろんその後にコロナショックもありましたが、大規模な給付金配布などで回復傾向にありました。しかし、様子がおかしくなったのがウクライナ戦争の勃発。それ以前からインフレ傾向ではありましたが、FRB(アメリカの中央銀行に該当する機関)は一時的なものと説明していました。もともと高かった前年の消費者物価指数からさらに8%上昇なんていうんだから異常と言えるほどのインフレです。
ただしアメリカはヨーロッパの国とは全く異なる状況です。エネルギーの輸出国であるアメリカは原油・ガス高の影響は少なく消費が伸びていますが、一方のヨーロッパはロシアへのエネルギー依存度が高く、エネルギー高という側面が強いです。2022年~2023年にかけてのヨーロッパ各国の冬の暖房代が去年より何十万円も高くなったといった報道もあり、ロシア・ウクライナ戦争のインフレへの影響は非常に大きいと言えます。
アメリカもヨーロッパ各国も金利を上げてインフレに対抗してるけど、悪性インフレ、つまりコストプッシュ型にはなかなか効果が出づらい、苦しい状況です。
日本は今インフレ?デフレ?
一方日本は、日銀が金融緩和政策の修正に踏み出すまでは、著しく円安が進んでいました。金利を維持する日本に対して、アメリカやヨーロッパ各国は金利を上げたことで、特に日米の金利差が5%程度までいくと予想されていて、それに合わせて円安も進行したのです。2022年には一時期1ドル150円まで円が落ちてしまい、iPhoneや外資メーカーの商品の価格が値上げしてしまったのは記憶に新しいかと思います。実際は値上げしたのではなく、円の価値が下がったことでその分多く支払う必要があったわけですね。その状況をさすがにまずいと思ったのか、日銀が10年物国債金利の許容変動幅をプラスマイナス0.25%から0.5%に拡大するとしました。
この政策によって日銀は利上げではなく市場機能の改善と言い張っていますが、実質的な利上げにより結果として円高に進んでいきました。もちろん、それなら良かったねいう話ではなく、利上げすることにより円安は改善されたとしても、景気が後退する可能性はあります。そのためこの決断は日銀にとってかなり大胆な施策だったと言えます。
過度なインフレ・デフレから自分の資産を守るには投資が必要不可欠。まずは口座開設から
インフレやデフレによって自分の資産価値が大きく変わってしまいます。もし過度なインフレになったときに貯金しかしていないと、物価高のあおりをそのまま受けてしまい、損をしてしまう可能性が高いです。そのため、自分の貯金を別の資産に分散し、世界が、日本がどのような状況に陥ったとしても影響を最小限に食い止める準備をしていくことが必要です。そのためには、まず投資を始めましょう。
つみたてNISAや株式投資、投資信託などの投資を始めるには、まずは口座開設をする必要があります。証券口座はさまざまありますが、一番おすすめは最大手で使いやすさもNo.1のSBI証券。証券口座を持っていない人は、まずはSBI証券で口座を開設しておくのが無難です。口座開設の方法は下記に画像付きでやり方をまとめているので、ぜひ参考にして口座を開設してみてください。
①まずはSBI証券の口座開設ページへGo!
上の画像をタップ・クリックしてSBI証券の口座開設ページへ飛びます。画面の下の方にある『口座開設にすすむ』から口座の申込み画面に進みます。今後の説明はこの画面からのスタートを前提としているので 同じ経路から入ってもらうことをオススメします。
②メールアドレスの登録&認証コード入力
メールアドレスの登録画面に進むので使用できるメールアドレスを入力して、「次へ」ボタンを押します。そうするとそのアドレス宛にメールが届き、6桁の認証コードが記載されているので、確認したらSBI証券の画面に戻り認証コードを入力し、「次へ」ボタンを押します。
③お客様情報の設定
「お客様情報の設定」画面になります。ここでは口座開設するために必要な情報を入力していくことになります。居住地から始まり、名前・生年月日・性別・電話番号・郵便番号・住所などを入力していきます。住所の番地のフリガナなどは忘れやすいので注意してください。
④納税方法の選択
「納税方法の選択」の部分で申告方法を選ぶことができますが、こちらは、開設する(源泉徴収あり)を選ぶのがおすすめです。画面によっては「SBI証券に任せる」と表示されているかもしれません。これを選んでおくと、自分の代わりに証券会社が納税してくれます。NISAなどの非課税枠のみでの取引であればあまり関係ありませんが、個別株を取引した際に申告漏れにならないようこちらを選んでおくのが無難だと言えます。続きの画面で、「NISAの選択」が現れます。こちらは、後からNISAの口座開設もできるので、無理に申し込まないといけないわけではないですが、事前の説明も踏まえ、基本的にはつみたてNISAの利用を推奨したいので一緒に申し込んでおくといいと思います。
とりあえず口座開設だけ、という人は「今は申し込まない」を選択して先に進んでください。
さらに進むと、住信SBIネット銀行の口座開設を一緒にするかどうかも聞かれます。こちらも任意ですが、同グループのネット銀行であり、使い勝手もいい上に、証券口座との連動性が高いので作っておいて損はないと思います。
④iDecoの資料請求
続きの部分でiDeCoの資料請求が必要か聞かれますが、これはお好みで選択してください。またポイントサービスの申し込みについても聞かれるので任意で選択します。普段使っているポイントサービスがあればそちらを選択しておけば問題ないかと思います。これらの入力が終わったら「次へ」を押して進みます。
⑤規約の確認
情報の入力が終わると、『規約』の確認画面に移動します。申込サービスの数に応じて書面が電子データで用意されているので、書面をタップして開き、確認したら下の同意欄にチェックをいれます。
確認するファイル数は申込サービス数によって変わります。すべて確認したら「同意する」ボタンをタップして進みます。
⑥入力内容の確認
これまで入力した内容に間違いがないか確認します。住所などが違っていると後が大変なので、ここでよく確認しておきましょう。入力内容に間違いがなければ「口座開設方法の選択」ボタンをタップします。
⑦口座開設方法の選択
「ネットで口座開設」、「郵送で口座開設」のどちらかを選び、「申し込む」ボタンをタップします。基本的にはネットだけで手続きが完結する上に早く口座開設が完了する「ネットで口座開設」がおすすめです。時間と手間がかかってもいいからここからは紙でやりとりを進めたほうが安心という方は郵送を選んでもいいかもしれません。
申し込み完了画面に移ると、口座番号やユーザーネーム、初期のログインパスワードなどが表示されます。これはこの後で必要になる情報なのでスクリーンショットを取るかあるいは紙にメモするなどして必ず控えておくようにしましょう。控えたら、『保存しました』にチェックを入れ『次へ』で進行します。
⑧本人確認
続いて、本人確認書類を提出していく必要があります。この際、ログイン画面が出てきた場合はさきほどの『ユーザネーム』と『ログインパスワード』を入力し、『ログイン』ボタンをタップして進みます。『口座開設状況の確認』画面へ移動したら『本人確認書類の提出』をタップして進みます。
⑨本人確認書類の提出方法の選択
本人確認のための提出書類・提出方法の選択画面に移動します。「マイナンバーカード」があれば本人確認書類も兼ねているので1枚のみの提出でOKですが、「通知カード」などの場合は、運転免許証などのほかの本人確認書類の追加提出が必要です。
次に、確認書類などの提出方法を選びます。手元に書類があれば、「スマホカメラで撮影して提出」を選ぶとスムーズです。次は口座開設完了通知の受取方法を選びます。
こちらは「メールで受け取り…」がおすすめです。最後に本人の確認方法を選びます。特段理由がなければ『自分の顔を撮影』が簡単です。すべてを選んだら「次へ」ボタンをタップしてください。すると各種の撮影が始まりますので案内に従って操作していけばOKです。
⑨取引パスワード設定
これで申し込みと必要書類の提出は終わり、先方による審査に入っていきます。口座開設の作業としてはここで一段落で、後は実際に使用するにあたっての設定になります。審査が終わるとメール等で連絡がきますので、再度ログインして口座開設状況を確認。そうすると「取引パスワード設定」を求められます。画面の案内通りに本人確認情報を入力し画面を進め、メールアドレスに送られた認証コードを入力の上、取引パスワードを設定します。今後の取引に使うパスワードなので、忘れないようにしてください。
⑩初期設定
取引パスワードの設定が終わるとそのまま初期設定へ進むことができます。取引を始めるには初期設定が必要になるので、これをタップして入力画面に進みます。基本的には画面に沿ってご自身の基本情報を入力します。インサイダー取引などの規制のため職業などを少し詳しく聞かれますが、正直に記入すれば問題ありません。あとは口座からお金を出金するときの振込先金融機関の登録と最後にアンケート的な内容を記入していきます。この際、『投資に関するご質問』という項目の最初に国内株式手数料プランという選択が出てきます。投資スタイルに合わせて2種類のプランから選択できますが、1日に何度も売買するような場合でなければ少額取引の手数料が無料になる『アクティブプラン』を選ぶのがいいかと思います。このプランは後から変更することもできるので特に心配する必要はないです。
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