マスターリースとは?サブリースとの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説

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マスターリースとは?不動産投資

賃貸住宅管理業法の制定により、「マスターリース」という言葉を耳にする機会が増えています。マスターリースは、賃貸物件の管理や運営において重要な役割を果たしており、不動産投資を検討する際には避けて通れない概念です。

特に不動産等を検討している会社員の人は、マスターリースの基本的な仕組みやサブリースとの違いについて知っておいたほうがいいでしょう。そこで今回は、マスターリースについて、そのメリットとデメリット含めてくわしく解説いたします。

この記事を書いた人
中井パンダ

外資系企業勤務の都内在住男性。コアラ先生の友人。株、FX、仮想通貨、不動産などさまざまな投資を行う個人投資家でもある。また、自身の経験を生かして転職支援も行う。

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2. マスターリースとは?

マスターリースとは、物件のオーナーがサブリース会社と締結する一括借り上げの賃貸借契約のことです。この契約により、サブリース会社は物件を一括して借り上げ、オーナーに対して一定の賃料を保証します。その後、サブリース会社が物件を個別に転貸し、入居者から賃料を徴収する仕組みです。

マスターリースとサブリースの違い

実務上、マスターリースとサブリースはほぼ同義で使われることが多いです。しかし、定義を正しく理解しようとすると、厳密にはその内容は異なります。マスターリース契約は、オーナーとサブリース会社の間でかわされる賃貸借契約を指し、サブリース契約はサブリース会社と入居者との間で締結される賃貸借契約を指します。

▼マスターリース契約
オーナー ⇔ サブリース会社

▼サブリース契約
サブリース会社 ⇔ 入居者

オーナー ⇔ サブリース会社⇔ 入居者の一連の契約をまとめて「サブリース」と呼ぶことが多い

オーナーからサブリース会社、入居者との一連の契約を「サブリース」と呼ぶことが多く、マスターリースとサブリースの定義の違いが曖昧になってきていますが、実際には定義が異なるということを覚えてきましょう。

次に、マスターリースと管理委託方式の違いについてくわしく見ていきましょう。

管理委託との違い

管理委託方式では、オーナーは入居者と直接賃貸借契約を結びますが、管理会社と管理委託契約を結びます。

▼管理委託方式

オーナー ⇔ 入居者 (賃貸借契約)

オーナー ⇔ 管理会社 (管理委託契約)


▼サブリース方式

オーナー ⇔ サブリース会社 (マスターリース契約)

サブリース会社 ⇔ 入居者 (サブリース契約)

管理委託方式では、通常の管理は管理会社が担当してくれますが、空室リスクは完全にオーナーが背負う必要があります。一方でその分収益性が高く、より利益を享受することができます。

一方でサブリース方式では空室時においても一定の賃料が保証されるため収入が安定しています。一方でその分サブリース会社に支払う手数料が低く、収益性が低くなりやすいです。

このように、マスターリースと管理委託方式にはそれぞれの特徴があり、投資目的やリスク許容度に応じて選択することが重要です。

中井パンダ
中井パンダ

サブリース方式は楽で安定した収入が得られるけど、いい物件を管理委託方式で運営したほうが収益性は高いね。

ウォン
ウォン

空室リスクが少ない東京の物件だったら管理委託方式で十分だと思います。一方で簡単に不動産投資を始めたいという人は、サブリース方式で始めてみるのもありです!

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賃貸住宅管理業法におけるマスターリースの取り扱い

法律の背景と目的

賃貸住宅管理業法は、2020年6月に制定され、2020年12月15日から施行されました。この法律は、サブリース事業の適正化とオーナーの保護を目的としています。背景には、サブリース方式による賃貸住宅経営におけるトラブルが多発していたことがあります。

特定賃貸借契約としてのマスターリース

賃貸住宅管理業法では、マスターリース契約を「特定賃貸借契約」として定義しています。これにより、サブリース会社(特定転貸事業者)とオーナーの間の契約が法的に保護されるようになりました。また、オーナーに対して契約前に重要事項説明を行うことが義務付けられています。

特定転貸事業者と勧誘者の規制

賃貸住宅管理業法では、サブリース会社(特定転貸事業者)と勧誘者に対して以下の規制を設けています。

  • 誇大広告の禁止
    「家賃は一切下がらない」といった誇大な広告表示は禁止
  • 不当な勧誘行為の禁止
    賃料が減額される可能性があることを告げずに契約を勧誘する行為は禁止
  • 重要事項説明の義務
    特定賃貸借契約締結前に、オーナーに対して重要な事項の説明を行うことが義務付けられています。

これらの規制により、サブリース方式を利用するオーナーは、より安心して契約を締結し、賃貸経営を行うことができるようになりました。

マスターリースのメリット

契約の手間が少ない

マスターリース契約は、オーナーとサブリース会社との賃貸借契約が一つだけで済むため、契約手続きがシンプルであるというメリットがあります。複数戸の賃貸物件を所有する場合でも、各入居者と個別に賃貸借契約を締結する必要がなく、手間が省けます。特に、大規模な物件や多くの賃貸物件を持つオーナーにとっては、契約業務の煩雑さが軽減される点が大きな利点です。

相続税の節税効果

マスターリース契約には、相続税の節税効果がある点も見逃せません。相続税の評価額は、賃貸物件が稼働しているかどうかによって変わります。マスターリース契約を結んでいる場合、賃貸割合が100%と見なされるため、相続税評価額が低く算出されます。これにより、相続税の節税効果が最大化されます。具体的には、以下のような計算式が適用されます。

  • 土地の評価額
    貸家建付地評価額 = 自用地としての価額 × (1 - 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)
  • 建物の評価額
    収益物件の建物評価額 = 建物の固定資産税評価額 × (1 - 借家権割合 × 賃貸割合)

借家権割合は全国一律で30%、借地権割合は地域によって異なりますが、これらの割合に基づいて評価額が計算されます。マスターリース契約により賃貸割合が100%と見なされることで、相続税評価額が下がり、節税効果が高まります。

マスターリースのデメリット

賃料は完全に保証されない

マスターリース契約では、賃料の完全な保証がされない点がデメリットです。マスターリース契約は賃貸借契約の一種であり、借地借家法に基づいて借主(サブリース会社)には賃料減額請求権が認められています。これは、経済状況や市場環境の変化によってサブリース会社がオーナーに賃料の減額を要求できる権利です。過去にはこの権利を巡って裁判が行われ、最高裁判所でもサブリース会社の減額請求権が認められています。そのため、オーナーは賃料の減額リスクを考慮する必要があります。

解約されやすいが解約はしにくい

マスターリース契約は賃貸借契約であるため、借主であるサブリース会社からは比較的容易に解約される可能性があります。一方で、オーナーからの解約は難しく、立ち退き料を支払わなければならない場合もあります。通常の賃貸借契約と同様に、解約の予告期間を守れば借主は自由に契約を解約できますが、貸主からの解約は厳しい条件が課されます。このため、サブリース会社の選定は慎重に行う必要があります。信頼性の高い会社と契約することで、安定した賃貸経営を目指すことが重要です。

以上のように、マスターリース契約にはメリットとデメリットがあり、それぞれの特徴を理解して適切に活用することが求められます。

マスターリースを使った不動産投資の始め方

適切なサブリース会社の選定

サブリース会社の選定は非常に重要です。実績や会社の規模、信頼性を確認し、複数の会社から提案を受けることで、最適なサブリース会社を見つけることができます。また、各社のプランを比較し、手数料や賃料保証の条件、契約の詳細について十分に検討することが必要です。

賃貸マーケットの理解

サブリース会社は賃貸マーケットに精通しているため、現実的な賃料設定やマーケティング戦略を提案してくれます。しかし、オーナー自身も賃貸マーケットの動向を理解し、自分の土地や物件に適したプランを選ぶことが大切です。賃料の適正価格や地域の需要を把握することで、長期的に安定した収益を得ることができます。

メンテナンスと修繕

物件の管理にはメンテナンスと修繕が欠かせません。大手ハウスメーカーは、メンテナンス会社も関連企業として持っていることが多く、竣工後の修繕費用についても適切な見積もりを提供してくれます。将来のメンテナンスコストを事前に把握し、計画的に対応することが、物件の価値を維持し、長期的な収益を確保するポイントです。

複数のプランを比較検討

最適な土地活用プランを見つけるためには、複数のハウスメーカーやサブリース会社から提案を受け、それぞれのプランを比較検討することが重要です。初期費用や収益シミュレーション、節税効果など、さまざまな要素を総合的に評価し、自分の土地に最も適したプランを選びましょう。

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このように、マスターリースを活用することで、効率的かつ安定した土地活用が可能となります。信頼性の高いパートナーと協力し、長期的な視点で計画を立てることが成功の鍵です。

8. まとめ

マスターリースは、賃貸物件の管理運営において多くのメリットを提供する一方で、デメリットやリスクも存在します。本記事では、投資初心者に向けてマスターリースの基本的な仕組み、サブリースとの違い、賃貸住宅管理業法における取り扱い、そしてそのメリットとデメリットについて詳しく解説しました。

重要ポイントの復習

  • マスターリースの定義
    物件のオーナーがサブリース会社と一括借り上げの賃貸借契約を締結し、サブリース会社が物件を転貸する仕組み。
  • サブリースとの違い
    サブリースはサブリース会社と入居者との賃貸借契約を指し、マスターリース契約はオーナーとサブリース会社との契約を指す。
  • 賃貸住宅管理業法
    マスターリース契約を特定賃貸借契約として定義し、特定転貸事業者と勧誘者に対して誇大広告の禁止や不当な勧誘行為の禁止、重要事項説明の義務を設けている。
  • メリット
    契約手続きが簡便であること、相続税の節税効果があること。
  • デメリット
    賃料が完全に保証されないこと、解約がしにくいこと。

最後のメッセージと次のステップ

マスターリースを活用することで、安定した収益を得るための土地活用が可能となります。しかし、契約内容を十分に理解し、信頼できるサブリース会社を選ぶことが重要です。また、賃貸マーケットの動向を把握し、適切なプランを選定することも成功の鍵です。

これからマスターリースを利用して土地活用を検討する方は、複数のハウスメーカーやサブリース会社からの提案を比較し、自分の土地や投資目的に最も適したプランを選びましょう。慎重に計画を立て、長期的な視点で土地活用を進めることで、安定した収益を実現できるでしょう。

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